まず、日本円についてですが、明治時代に西洋の経済制度が導入されるとともに、従来の貨幣制度から新しい通貨制度に変わりました。それに伴い、新しい通貨単位として「円」が採用され、その国際的な記号として「¥」が使われるようになりました。円の英語表記である「Yen」の頭文字「Y」に縦棒を加えて作られたこの記号は、日本の貿易や国際金融で広く用いられるようになりました。
一方、中国の人民元は、1949年に中華人民共和国が建国された際に導入されました。それまでの中国の通貨に代わるものとして、新しい通貨単位として「元」が採用されました。元の英語表記は「Yuan」であり、その頭文字「Y」に縦棒を加えた記号「¥」が、人民元の国際的な記号として使われるようになりました。
日本円と中国人民元の両通貨の記号が「¥」である理由は、言語的な偶然や歴史的な経緯によるものです。両国の通貨を識別するためには、略称を使用することが一般的です。日本円の略称は「JPY」、中国人民元の略称は「CNY」または「RMB」となります。
トラブルを避けるために、金額や通貨の表記には、これらの略称を用いることが推奨されます。例えば、1000円を表す場合には「JPY 1,000」と記載し、人民元の場合は「CNY 1,000」または「RMB 1,000」と記載することで、両通貨を明確に区別することができます。